ベース薬局|山見町店 works 2020.06.232021.10.11 所在地:福島県会津若松市山見町構 造:木造平屋床面積:91.09m²設計期間:19/01 – 19/05工事期間:19/05 – 19/08施 工:弓田建設撮 影:秋月 【周辺環境】会津若松市のマスタープランでも文教エリアに位置付けられている、ゆったりとした良好な住宅街の一街区に、クリニックと共に計画された調剤薬局です。【清潔感のある外観|雪の日も温かな内観】織部色の屋根に白練色の外壁からなる、清潔感を意識した外観です。内装では暖かみのある白系の仕上げ材に、木質の柱・梁、造作家具を合わせることで、素朴で暖かな雰囲気の待合の場となるよう計画しました。 当初の設計では出入り口が一箇所でした。打合せを重ねる中でクリニック側だけでなく、道路側にも出入り口を設けて路面性を高め、集客力が高まるよう変更をしたのですが、ここでひとつ問題が生じました。出入り口が2箇所になるという事は、お客さんの動線のための面積が増えることにつながり、待合スペースが当初よりも狭くなってしまったのです。建物全体の面積を広げるのが難しい状況でしたので、平面で広げられないぶん部屋の高さを高くし、ハイサイドライト(高窓)を設け、上方から日光を取り込み、明るく開放的な空間を計画することで、実際よりも広く感じられよう配慮しました。また、熱環境的な側面では、夏の直射日光を避けつつ、冬の温かな日差しを取り込む工夫にも一役買っています。会津のこの地域ですと冬至の日差しは29.3°の角度になりますので、ハイサイドライトから取り込まれた日差しはアール(曲面)の壁で反射して待合室を明るく開放的にします。 【人の流れに呼応した全体配置】車寄せのアプローチをクリニックと薬局で囲うように配置しています。クリニックからの人の流れだけでなく、道路側にも出入り口を設け2方向から店内にアクセス出来るよう計画しています。また薬局のカウンターからは窓越しにクリニックの患者さんが向かってくるのが分かるようになっています。 ※余談ですが、近くにある公立中高一貫校の福島県立会津学鳳は原広司さんの設計です!原さんは京都駅や超高層を最上階で連結させた梅田スカイビルが有名ですね。「集落の教え100」も好きな一冊です。