【空間構成】
スキップの高さは900mm(※1)としています。これはスキップの高さを目線よりも下げることで、段差によって分けられた2つの空間をひとつながりの空間として感じられるようにするためです。この住宅では、プライバシー状の要望から道路側には最低限の窓しか設置していませんが、リビングからテラスまで抜けの効いた開放感ある空間を実現しています。
スキップフロアには空間的な広がりや繋がりを得られる一方で、構造的に不利になってしまう側面もあります。柱・梁を通常よりも一回り大きくすることでがっちりしたフレームを作りつつ、構造的に一番脆くなるスキップフロアのスッキプ面に上下階耐力壁をいれ補強しています。また、1階はちいさな部屋、2階は大きな部屋を配置することで1階の壁量が増えるようにしています。
中2階の家族室は縁側を介して庭を取り込むことで明るく開放的な部屋になっています。
また、室内の左官仕上げはお施主さんのセルフビルドによるもので、家族みんなで家をつくる貴重な体験になったようです。
※1:芦原義信さんが設計したソニービル(銀座)は、はなびら状にスキップさせた空間構成で有名ですが、スキップの高さは階高3600を4等分した900mmです。