所在地 :福島県福島市大森坿
構 造:木造平屋
延床面積:約140m²(増築50㎡)
設計期間:24/06 – 24/12
工事期間:25/01 – 25/06
設計監理:秋月建築研究室(秋月孝文)
施 工:ばんだい東洋(村上)
東北エアコン(小針)、遠藤電設(星)
撮 影:秋月建築研究室(秋月孝文)
※調剤室レイアウト、外部照明は計画対象外
□ 周辺環境|
福島市の中心部から南方に位置し、「福島市のマスタープラン」により、ゆとりある居住環境の形成とともに都市計画道路周辺の沿道サービスと軽工業の誘導を促す方針が示されています。
また「大森地区計画」では、良好な住環境を形成するため、建物を建ててはいけない範囲(後退距離)や敷地境界の仕様(生垣や柵)などさまざまなことが厳しく規制されています。
□ 計画の概要
2011年に「おおもり内科・循環器科クリニック」と合わせて建てられた「ベース薬局大森店(調剤薬局)」の増築計画です。敷地南東側に「ぽのキッズクリニック(小児科クリニック)」が2025年に開院されるのに合わせて、小児科専用の待合と受付を増設することを目的としました。
感染対策だけでなく心理的な安心感も得られるよう、内科と小児科の待合室を分けています。また、スタッフの動線も最適化し、調剤業務や患者対応の効率が向上するよう諸室を再構成しました。
小さなお子さんと一緒でも、安心して訪れてもらえること。
子どもが不安にならずに過ごせること。
そんな場所を目指しました。
小児科クリニックから見えやすくなるよう、出入口の壁を斜めに配置してクリニック正面を向くようにしました。奥まった分だけ軒も深くなり、雨の日に傘をたたむのにちょうどよいスペースになっています。
また建物の東側には雨水貯留施設が地下に設けられています。
既存薬局の屋根の下に増築分が納まるように計画することで、パッと見たときに既存と増築が調和するよう努めました。工事難易度の高いポイントでしたが職人さんが綺麗に施工してくれました。
患者さんの出入口が、内科用と小児科用の2箇所あるため、設計初期の案では受付も調剤室の左右にそれぞれ設ける計画でした。
しかし、少人数での効率的な運用を実現するため、調剤室の角にL字型の受付スペースをまとめて配置。スタッフの動線を短縮しながらも、待合室は内科と小児科で完全に分離できるレイアウトになりました。
■ 内科と小児科、それぞれの待合スペースを分けるメリット
【1】感染リスクの低減
感染症の子どもと、高齢の方が同じ空間にいることを避けるため、待合室を分けています。
インフルエンザやRSウイルスなどの広がりを防ぐ目的もあります。
【2】利用者の心理的安心感
小さなお子さん連れのご家族にとって「専用スペースがある」ことは安心につながります。
また、ご高齢の方にとっても、静かに落ち着いて過ごせる環境になります。
【3】スタッフ動線と対応の最適化
受付やお薬の受け渡しカウンターをゾーンごとに分けることで、スタッフの動きがスムーズになります。
小児と内科ではご案内や服薬の説明の仕方も違うため、それぞれに合った対応がしやすくなります。
【4】施設イメージの向上・差別化
小児科にも対応できる薬局としての役割を明確にし、地域の中で安心して利用いただける環境づくりを目指しています。
「利用者に配慮された薬局」として、信頼感にもつながります。
明るく開放的な待合スペースとなるよう、3連窓を設けました。
小児科専用のため、子どもの身体スケールに合わせて天井を少し下げ、包み込まれるような安心感のある空間となるよう空間のスケールを整えています。
また、素材と色彩でやわらかな雰囲気をつくるため、真っ白な空間にならないよう落ち着いた色の壁紙を選びました。ポイントで木の素材を使うことで、心理的な緊張を和らげ、温かみのある居場所となるよう心がけてもいます。
工事の様子は下記にケーススタディとしてまとました。
ベース薬局 大森店









